「叫び」を描いた男の意外な姿。

  • 2018.11.05 Monday
  • 01:08

JUGEMテーマ:絵画

 

 

ーーー「わたしは、目に見えるものを描くのではない、わたしが、見たものを描くのだ」

 

 

 

 

 

 

ちひろです。おかわりありませんか?

 

 

あなたは、「叫び」という絵をご存知でしょうか。

 

いわゆる「ムンクの叫び」として知られる作品です。

 

 

あの、印象的に頬を歪ませ体も背景もうねる絵、

あまりに有名で、不安になる絵画です。

 

描いたのは、エドヴァルド・ムンク。

 

北欧のノルウェーで生まれた画家で、

第二次世界大戦前に生まれ、終戦直前になくなった人物。

 

 

「叫び」とはいったいなんなのか。

 

ムンクとはどんな人間だったのか。

 

 

正直美術史にはあまり触れてこなかった身の私は、

わからないことが多すぎました。

 

たぶん、今東京の上野でやっている「ムンク展」が行われていなければ、

そんな疑問さえ抱かずに過ごしていたかもしれないです。

 

 

入り口付近。40分待ち。

 

 

このムンクという男、

この独特な構図や表現方法から非凡な才能に恵まれた芸術家と思いきや、

 

意外にも、親近感のある人でした。

3つ、印象的だったものがあります。

 

 

1. ムンクは、最初から絵の道を目指せたわけではなかった。

 

十代の頃、ムンクは画家として生きていくことを志ましたが、

医者であった父に反対され、最初はまったく異なる学校へ入学することとなります。

 

がしかし、リウマチ熱での欠席が続き中退。

それだけなら可哀想、で済むのが、彼はそこでしたたかな一面を見せます。

 

 

その日の日記に、

 

 

「やっぱ俺の宿命って、画家なんじゃね!!」

 

(脚色してますがそんなこと言ってたらしい)

 

その後今度は父親の説得に成功し、

絵画の学校に入学しなおします。

 

もはや、画家以外の人生への拒否反応が生命レベルで露呈してしまったのでは、

と私は考えてしまいます。

 

 

ただ、その後も病で倒れる場面はあったということですから、

決して体が強い訳ではなかったのかもしれません。

 

 

私も、肺炎や慢性鼻炎など、

もともと強くない体でやっているので自身の環境に左右され苦労に共感します。

 

またそんなムンクは、本人だけでなく家族また病に悩まされた人物でした。

 

 

 

2. ムンクは、家族全員を早い時期に亡くしている。

 

 

ムンクが5歳のときに母親、

14歳の時に姉、

26歳の時に父親が他界しています。

 

母と姉については結核が原因であり、

彼にとって「病」や「死」は身近なものだったようでした。

 

その上、女性から言い寄られ銃で指を負傷したり、

初恋は人妻との不倫だったり、

 

芸術を極めるために生涯独身を貫いたムンクですが、

その人間関係はシンプルではなかったようです。

 

 

だからこそ、ムンクが描く絵はどこか暗く、人を不安にさせる作品が多いと思われます。

 

また世界大戦が勃発していた時代というのも

それに起因しているのかもしれません。

 

 

ただ、彼の世界観は一生同じであったわけではなかったようでした。

 

 

 

3. ムンクの芸術はチャレンジと変化の連続だった

 

 

ムンクは、実は「叫び」という絵を何枚も描いています。

 

 

彼は同じ絵を繰り返し描くことをする人でした。

なんども反芻することで、

自分の中にある世界を理解し整理したかったのでしょうか。

 

 

ムンクは、いわゆる表現主義、

そのままリアルにものを描くのではなく、

自分の感情やその場の空気、また伝えたいメッセージなどを

織り込み描くタイプの画家でした。

 

「目で見たもの」ではなく「自分の心を通して見たもの」を描き続けたのです。

 

 

80歳で永眠するまでそれは変わることはありませんでしたが

 

その「自分の心を通して見たもの」という中で、

その描き方や作品の雰囲気は変化を見せていきます。

 

 

それが晩年、どんな絵を描くようになったかは、ぜひムンク展で見て欲しいところですが、

私は晩年のムンクのはとても好きになりました。

 

 

彼なりに、時を経て「死」という概念を

 

なんども叩き、伸ばし、また叩き、

 

幾重にも重ねて見えた世界が描かれている、と、そう思います。
 

 

 

 

はじめは、今までにない表現方法で初めての個展では酷評を浴びたムンク。

アルコール依存にもなり、精神病院にも入院し、

 

それでもなお、決してその表現姿勢は崩すことなく、

才能に頼ることなく自らの力で「子供たち」と呼んだ自身の作品を広めていきました。

 

 

「叫び」は、彼の心のフィルターを通したフィヨルドの夕暮れだったこと、

「死」や「病」に向き合いマイナスな面だけでないその先の哲学を歩み続けた人だったこと、

 

もはや私にとってムンクはなんだかすごい絵を描いた偉人ではなく、

 

私と同じ呼吸器系が弱くて、

地道に自分の名前を広げていった恋愛下手な人

 

という一人の先輩、先生になりました。

覚えておきたい、この人を。

 

という思いで購入したかどうかは置いといて、

ムンク展で見つけた

彼の晩年の絵を使ったバッチをリュックに着けます。

 

 

 

ぜひ、まだ会期は3ヶ月以上ありますので、

皆さんも実際の目で「叫び」、見てきてください。

 

2019年1月20日まで。

 

 

 

かしこ。

 

2018年11月5日

ふちばちひろ

 

 

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